【やってはいけない!こんなキラキラ女子起業2】スタートアップ編

前回の記事では、起業したい、と思う人の傾向や考え方の一例を紹介しました。

前回の記事はこちら

今回は、いよいよ起業に向かって具体的に動き出した人たちのお話です。

“起業迷子”2つのパターン

「やりたいこと」が決まらない

前回の記事でも書きましたが、起業を目指す人には2つのパターンがあります。

  • これまで経験を積んできた資格やスキルを使って起業する
  • 起業するために、あらたに資格やスキルを習得する

長年の経験をもとに起業する人は、それを一生の仕事にする覚悟や自信を持っているので、何を仕事にするか、でブレることはまずありません。

一方、起業を決意してから、起業するための資格やスキルを探して学ぶ人は、なかなか「これが一生の仕事だ」と思える物に出会えない場合があります。
次から次へと資格講座やセミナーに通い、資格集めがライフワークのようになってしまう人もいます。
それはそれで、たくさんの知識や技術を習得する、ある意味楽しい生き方ではないかと思いますが、あくまで目標は「起業」で、楽しんで資格集めをしているのではなく、焦って講座から講座を渡り歩いている人もいます。

「起業する」という決意はあっても、これではいつまで経っても起業できません。

同じような「起業迷子」さんにも、もう1パターンあります。

とりあえず、最初に取った資格で起業するのですが、短い期間で「やっぱり自分には合わない」「お客様が来ない」と見切りを付け、まったく違うことを学びはじめ、その資格で再び起業、これも短期間で見切りを付けて次の資格に向かう・・・

私の教室に通って来る人の中にも、このような方がいます。
このような方は、その時は、自分の商品や資格の素晴らしさや思い入れを、けっこうアツく語ってくれる方が多いです。
何回か続けて通って来られて、ブログを書き始めたり、ホームページを作り始めたり、私も応援しようとするのですが、急にピタリと来なくなります。
心配していると、半年ほど経って突然やってきて、「以前とはまったく別の商品や資格で起業し直すことにした」と言い、またその商品や資格の素晴らしさをアツく語ってくれます。
以前の商品はどうしたのか、と聞くと、もう全然関心が無くなってしまっていて、「あれは私には合わなかった」と、素っ気なく返されます。

こんな繰り返しで5~6年経っている人もいます。

良く言えば「まずはやってみる」の精神でチャレンジを繰り返すポジティブな人、ということなのでしょうが、実績も上げないままに、短いスパンで仕事を変えていると、人としての信用を失ってしまいます。

長い人生、失敗もやり直しもあります。
ある程度ひとつの仕事を続け、ブラッシュアップやステージアップのために新しいことを学び、それを仕事に取り入れる、ということもあるでしょう。

しかし、一度は本気で「これを仕事に起業する」と決めたスキルや資格に、半年や1年で簡単に見切りを付けてしまえるのは、「起業」を安易に考え過ぎていると、思わざるを得ません。

取ったばかりの資格やスキルでいきなり起業するのではなく、同業者のもとで研修させてもらうなどして、その仕事が「本当に自分に合っているのか」「一生続けて行けるのか」といったことを、しっかり見極める期間は必要ではないかと思います。

「やりたい」けれど「自信が無い」

一方、「知識も経験も十分、あとは起業するだけ」という環境にありながら、なかなか起業できない人もいます。
長年勤めてきた会社を辞めて、開業準備をしたり、起業塾に通っているのに、それでも第1歩が踏み出せず、いつまで経っても「開業準備中」なのです。

「まずはしばらくブログで発信して様子を見る」
「友だちに無料モニターになってもらって練習する」

など、開業を先延ばしにすることばかりを次々考えてきます。

真面目で慎重な性格だからこそ「念には念を入れて」と思うのでしょうが、起業にはタイミングも勢いも必要です。
先に上げた事例のように、何も考えずに起業してしまうのも考え物ですが、かと言って、開業できる環境が整っているのにまだ始めることに躊躇していると、そのうち本当にタイミングを失ってしまいます。

とくに、長く会社にお勤めされていた人にこのような方が多いのですが、これまで会社の庇護のもとで仕事ができていたことのありがたさを知っているからこそ、自分ひとりでビジネスを始めることに不安を感じてしまうのだと思います。

それでも、会社員を続けることを辞めて、「起業する!」と決めたのですから、勇気を持って第1歩を踏み出して欲しいと思います。

「仕事してる」気分になれるだけ?ムダな行動2選

SNSやブログはあなたの「仕事」ではない

いよいよ起業して最初にやることは、仕事を始めたことを周りに周知して、お客様に来ていただくことです。

ここ何年かの間に、「集客=ネット」「ネット集客=SNS」が当たり前のようになってしまいました。
「営業なんて苦手」「広告を出すようなお金は持っていない」という人にとって、「ネット集客」「SNS集客」は、お金も体力も使わない魔法のような集客方法に感じるのかもしれません。
ネットでも書籍でも、SNSでの集客が当然のように勧められています。

それらを見て、多くの「起業家」が、毎日がんばってSNSやブログを投稿し始めます。
SNSでは、できるだけたくさんの人をフォローして、「いいね」を押したり、コメントを入れたりします。
こうしたネット上での活動を毎日真面目にやっていると、それだけで1日が終わってしまいます。
それなりに時間と頭を使いますから、最初のうちはかなり充実感・達成感も感じられると思います。
それで、「今日もよく働いた」と満足してしまうかもしれません。

しかし、SNSやブログを投稿しているだけでは、実際には

何の仕事もしていません。1円のお金も生み出してはいないのです。

2021年7月のデータでは、Twitterの国内ユーザー数は4,500万人、instagramの国内ユーザー数は3,300万人だそうです。
その中で、自分の投稿が多くの人の目に留まるようになるには、大変な努力が必要です。
本来の仕事を捨てて、「インスタグラマー」として真剣に活動すれば、いわゆる「インフルエンサー」になれるかもしれませんが、それは本末転倒です。

すべきことはSNSのフォロワーを増やすことではなく、お客様を見つけることです。

フォロワーが増えたり、「いいね」をたくさんもらうことは、個人の承認欲求を満たすことにはなると思いますが、ビジネスのターゲット層でない人からのフォローや「いいね」に、ビジネス上の価値はありません。

SNS集客というのは、3,000万粒・4,000万粒の砂の中から、たった1粒の「お客様」を見つけるような、決して楽ではない集客方法です。
毎日せっせと砂を掻き続けていると「今日も良く働いた」と錯覚してしまうかもしれませんが、実は何の生産性もありません。

そもそも、個人事業主のもとに何千万人ものお客様が来ても対応できません。
世界中のライバルがひしめき合うインターネットをあえて集客の場にする必要は本当は無いのです。
とくにコロナ禍の今、SNSで遠くに住んでいる見知らぬお客様を探し求めるより、地元に根差した集客活動をするほうがずっと効果的です。(また後日、詳しくお話しします)

SNSも、やらないよりはやった方が良いとは思いますが、過度に期待したり、本来すべき仕事をおろそかにしてまでやるようなことではない、ということは覚えておいて欲しいと思います。

仲間づくりの場での営業はほどほどに

自称「女性起業家」たちがよく開催している「ランチ会」や「お茶会」。
ただ「キラキラ自慢大会」のようになっているだけの中味が無い会もありますが、同じ女性起業家同士が情報交換したり、仲間づくりをするために開催されているものもあります。

起業初期の人が、このような会に参加するのは悪いことではないと思います。
ひとり起業家さんだからこそ、仲間は必要です。
コミュニティのお話はまた別の機会にしますが、良いコミュニティに参加することのメリットは大きいです。

しかし、せっかくの情報交換や仲間づくりのチャンスの場なのに、なぜか営業する気満々で参加して来る人が、必ず何人かいます。
どんな仕事をしているのか、ひとりひとり自己紹介するのは、こういった会では恒例ですが、

  • 他の人の何倍も長い自己紹介
  • 自分の仕事の話ばかりする
  • 人の話を聞かない・関心を示さない
  • 自分の仕事に関心がありそうな人を独占してグイグイ営業する

こんな人がよくいます。

起業初期の人はとくに、焦ってこのような行動に走ってしまう人がいます。中には「営業」目的で、あちこちの女性起業家の会を渡り歩いているような人もいます。

女性起業家さんは好奇心の強い方が多いので、このような「お茶会渡り歩き戦法」で、いくらかはお客様になってくれる人を見つけられるかもしれませんが、やり過ぎると周りから引かれてしまいます。
そして、起業家同士なので、サービスを受けに来ていただいたら、今度は相手のサービスも受けに行く、というのが普通の流れになるのではないかと思います。
そうなると、自分に収益があっても、そのうち幾らかは相手に返すことになりますから、仕事をした気にはなれても、差し引きの実際の利益はほとんど残りません。場合によっては赤字になってしまうかもしれません。

周りから引かれたり、嫌われるリスクを負ってまで、お茶会でガツガツ営業をするメリットは無いと思います。

お茶会・ランチ会は、営業目的ではなく、情報交換や仲間づくりのために参加するのが良いと思います。

連絡先の公開が「事業者」の第1歩

前回の記事にも書きましたが、

起業するということは、この社会の経済活動に参加する

ということです。

ビジネスを始めたその日から、あなたは「プロ」です。
「初心者だから」「開業したばかりだから」という言い訳や甘えは一切通用しません。
常にお客様の目線で、お客様の満足を追求する姿勢が必要です。

しかし、中には「お客様目線」ではなく「自分目線」の発想のままビジネスを始めてしまう人もいます。
色々なポイントで、そのような事例は散見されますが、たとえば、

  • 迷惑メールがや営業電話がイヤだから、メールアドレスや電話番号を公開しない
  • 来店してもらうサービスなのに、変な人が来るとイヤだから住所を公開しない

という人がよくいます。

前回の記事にも書いたように、今は大量の情報が次から次へと入ってくる時代ですから、その場で素早くコンタクトを取れるようにしておかないと、後回しにされ、すぐに忘れ去られてしまいます。
見込み客にせっかくSNSやブログを見つけてもらえたのに、連絡先もわからず、自分が訪問できる場所にあるのかどうかを確認することもできない、というのでは、お客様を捨てているようなものです。

迷惑メールは削除すれば良いだけですし、営業電話は断れば良いだけです。ほんの何秒かで済むことです。
お客様の利便性を損なってでも、自分の数秒の手間を惜しむ、という発想は「プロ」とは言い難いと思います。

自宅でサロンを開業している人の中には、住所を公開していない人も多いですが、初めてのお客様の立場で考えれば、「住所も公開していないような、知らない人の家に行く」というハードルはけっこう高いと思います。

どんなお店やサロンであっても、ホームページなどを見れば当然住所が書いてあります。住所が書いていないだけで「怪しい」と思われても仕方ありません。
「子どもがいるから、セキュリティが心配で」などと言う方も多いですが、わざわざ「自宅でやってます」などとは言わずに、堂々と「お店です」「サロンです」と、住所を書いておけば、普通の人は「ここにサロンがあるんだな」と思うだけで、そんなに深読みしません。
むしろ住所を公開していない方が、「本当に実在するのか」「住所を隠して悪いことをしているのではないか」などと勘繰られる恐れがあります。

個人情報・プライバシーの保護は必要ですが、個人事業主は、社会の経済活動に参加してお金をいただいているので、ただの「個人」ではなく「事業者」です。
事業者として、お客様の利便性を損なう情報隠しをしていては、お客様を減らすことはあっても増やすことは決してないと思います。

お店や会社を始めたら、電話番号や住所を公開するのは当然のことです。
消費者の立場で考えれば、お店や会社の住所や電話番号が調べてもわからなければ「怪しい」と感じるのも当然ではないかと思います。
それなのに、自分がお店や会社の側の立場だと、住所や電話番号を公開しないことを当然のように考えている起業家さんがいることが不思議です。

当たり前すぎる話ですが、とくに女性のひとり起業家さんは「連絡先を非公開にしたい」という人がとても多いので、取り上げてみました。

音声版(stand.fm)

ほぼ同じ内容を、音声でも配信しています。

1.起業迷子

2.駆出し起業家がやりがちなムダな行動

3.連絡先を公開してますか?

Profile

あおい@myoffice
あおい@myofficeパソコンが苦手なサロンオーナーや個人起業家さんのための記事を書いています。
神奈川県大和市中央林間で完全マンツーマンレッスンの「パソコン教室&サポート マイオフィス」を主宰。
広告業界・経営コンサル業界での経験を生かし、web・SNSなどのビジネス活用をサポート。オンラインだけでなく、チラシなど紙メディアの企画・制作も行っている。
日本おうちサロンマップ協会 事務局もつとめる。
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